インターネットに夢を見ない

僕の思い出とか、思ったこととか書く。

ど田舎鳥取の少年が上京して衝撃を受けた話。

日本一人口が少ない鳥取県
その鳥取の中でも特に田舎の地域で、海と山と川に囲まれスクスクと育った僕は、高校を卒業後、東京へと旅立ちました。
超が付く田舎者の僕は大都会・東京をとてもとても恐れていました。

上京直後はとにかく気を張っていました。

電車に乗れば当然スリがいるので、ポケットには何も入れず、常に周りを警戒していました。
駅や道で迷って地図を開こうものなら、田舎者だと即バレして、当然何かしらの詐欺に合うに違いないので、例え迷っていたとしても「この街は俺の庭だけど?」みたいな顔をして歩き、トイレの個室で地図を確認していました。
更に、裏路地に入れば常に麻薬売買や殺人が行われているはずなので、常に大通りを歩いていました。命は大切です。

東京は恐ろしい街、そう信じていました。

そんな僕の東京への大いなる誤解は、ある出来事がきっかけでなくなりました。
ある日、僕は原宿で財布を紛失したのですが、財布を交番に届けてくれた人がいたらしく、後日手元に返ってきたのです。
東京にそんな優しい人がいるなんて!!
財布なんて落としたら当然おしまいだと思っていたのに!
東京は血塗れの人が倒れていても素通りする冷徹の地だと聞いていたのに!!
ひょっとしたら誤解していたのかもしれない…。
東京の皆さん、すみません…。
お詫びに今度鳥取の梨を配りますね…美味しいですよ…。

・・・

東京では色んなカルチャーショックを受けました。

冒頭にも書きましたが僕の出身は鳥取県
日本一人口が少ない過疎県です。
自動改札すら2016年11月にようやく米子駅に導入されたっていうほど文明が遅れているのです。
そんな発展途上県から上京した僕には色んな驚きがありました。

まずはSuicaにはしゃぎました。
なんだこのカードは・・・!?
チャージしてピッとするだけで改札を通れる??
自動改札すら未来の世界の機械なのに、更に先があるだと…!?
嬉しくて楽しくて無駄にピッピッやってました。

次にバイトの時給。
時給900円以上なんて当たり前、むしろそんなの安いくらいで1000円以上のバイトもゴロゴロしている!(2004年当時)
鳥取県のバイトは時給630円が普通なのに!なんだこの格差は!!
僕がやってた新聞配達は時給換算したら1時間400円だったぞ!
それはそれで明らかにおかしいけど!

コンビニも地元にはポプラとローソンしかなかったけど、東京にはあの有名なファミリーマートセブンイレブンがある!!
ファミチキってこんなに美味しいの!?
他にもサンクス、ミニストップ、スリーエフ、サークルKなどなど。
え、なにこの豊富なコンビニの種類・・・こわい・・・。

何より一番驚いたのはどこまでも街が続くこと、そしてその規模です。
新宿渋谷池袋といった繁華街はもちろん、日暮里、大森、練馬、八王子どこに行っても大都会大都会です。(秋葉原のあまりに偏った街のあり方にも驚いた)
僕が最初に住んだのは西武池袋線の江古田という場所ですが、その小さな町ですら鳥取県の一番栄えた場所である米子より栄えていると思いました。
東京の人は「23区外は都内じゃないよね」とかよくわからないことを言いやがります。
僕から見れば大都会の街ですら田舎扱いしてたりするのが不思議でした。
お前はまだトットリを知らない。と言ってやりたい気分でした。

どこに行っても大都会大都会。
自転車に乗ってあちこち回るのが楽しくて仕方なかったです。
ウキウキしてました、ドキドキしてました。
この頃が人生で一番ワクワクしていたと思います。

今までとは全く違う世界に来たんだ!!
これから新しい生活が始まるんだ!
今ならなんだって出来る気がする!!


あの高揚感は今でも忘れられません。
こうやって18歳の少年の東京生活が始まったのです。